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冬場の体育館は寒すぎて危険!暖房の工夫で快適に利用できる空間にしよう

体育館は運動施設として利用する以外にも、行事のためのスペースとしても活用されています。ただ、冬場の館内では、運動などで体を動かしていても寒さに震えるといったことが珍しくありません。さらに、長時間にわたって厳しい寒さのなかでじっとしていなければならない行事などの場合には、より過酷な状況になるでしょう。この記事では、寒すぎる冬場の体育館でも快適に過ごすための寒さ対策について解説します。

1.冬場の体育館はなぜ寒さが厳しいのか

冬場の体育館にいるときに、体を震わせるほど寒さが厳しいと感じる人は少なくありません。冬場とはいえ、体育館の寒さがそこまで厳しいのはなぜなのでしょうか。ここでは、原因について解説します。

1-1.天井が高いから

体育館は教室などと比べて、天井が高くなっています。暖かい空気は上昇する性質がありますが、高い天井の場合、一度上昇した暖かい空気は人がいる位置にまで下降しにくい構造です。もし、窓から日光が差し込んだとしても暖かいのは天井付近のみで、人がいる床に近い部分は冷たい空気が溜まっています。そのため、太陽が出ている天気が良い日であっても、体育館は寒さを感じやすい状態です。また、体育館は空気がこもりやすいことから、換気目的で扉が開けっぱなしにされることも少なくありません。この際、空気の流れがつくられると同時に外の冷気が館内に入り、さらに寒く感じることになります。

1-2.鉄骨でできているから

柱や梁部分に鉄骨が使用されている建物「鉄骨造」。鉄骨造の建物は壁にコンクリートを使用しないので、建物自体を軽くできるメリットがあります。ただ、多くの鉄骨が使用されていることから、空間部分が大きくなりやすい点が寒さ対策をするうえでの問題です。空間部分が多い分、断熱素材を使用できる部分が少なくなります。つまり、夏場は暑く、冬場は寒くなりやすいため、長時間体育館内にいれば頭痛や気分が悪くなるなど、体調を崩す可能性がないとはいえません。また、体育館の大きな窓は太陽の光を体育館に差し込ませて明るさを出す意味では有効ですが、窓部分には断熱材が使用できないので寒くなりやすいのがデメリットになります。

1-3.建物が1つの空間になっているから

体育館は建物がひとつの部屋のようなものであり、一般的な家のように空間を仕切るものがありません。逆にいえば、仕切りがないからこそスポーツや行事などさまざまなことに使用することが可能なわけです。体育館は使用時に館内を区切って使うケースが少なく、部分的にしか人がいない状態でも大きな空間のまま使用されています。さらに、体育館は教室と比較すると天井が非常に高いです。暖気の性質上、せっかく人がいる空間に向けて暖房をしても、多くの暖かい空気が体育館の天井付近に上昇してしまいます。暖房器具の周囲にいる人は直接暖かな空気を体感することができますが、離れた場所にいる人は暖房効果を十分に得ることができず、寒さを感じたままになってしまいます。

2.体育館の使い方はさまざま

体育館の使用用途は幅広く、さまざまな目的のために使われています。ここでは、その例を挙げていきます。

2-1.運動施設としての体育館

学校の体育館は、体育の授業や運動部の活動の際に使用されることも多いです。運動しているときは体温が上昇しますが、動いていないときは汗をかかないので、同じ空間にいても体感温度が異なります。そのため、そのときの体感に合わせて暖房の温度を設定すると、運動中や運動後は暑すぎて気分が悪くなるなど体調に影響が出る可能性もあるので注意が必要です。また、運動部の活動は放課後以外にも、早朝や休日などに行われることが少なくありません。ただ、状況によって練習などの予定が変更される場合もあるため、体育館内で活動している運動部に合わせて設備の管理をするのは難しいです。

さらに、暖房器具を使用する際にかかる費用についても考慮したうえで、設定温度や使用頻度などを決める必要があります。設備の稼働時間が長いほど電気代がかかってしまうので、深く考えずに稼働させていれば年間のコストが莫大なものになる可能性もあるでしょう。だからといって、コスト削減をしたがために体調不良になってしまう人が続出しては意味がありません。コストを抑えつつ、しっかりと館内の温度調整ができる設備を整える必要があるでしょう。

2-2.イベント施設としての体育館

体育館は、児童や生徒などが参加する行事や学校集会で使用されるケースが少なくありません。学校のイベントで合唱や演劇など、大きな音を出す場合には扉を閉め切って使用されています。周囲の環境によっては大きな音や声が迷惑になってしまう可能性もあるからです。また、合唱や劇に集中するという意味でも、扉が閉めてあるほうが余計な音が入ってこないので集中しやすくなります。逆に、人の出入りが多い行事の際には、体育館の扉は開けっぱなし状態で使用される場合が多いです。行事の内容によっては、児童や生徒以外が参加するために学校を訪れるケースもあります。たとえば、入学式や卒業式が行われるときには、生徒の保護者も体育館で長時間過ごす場合が多いです。

児童や生徒は決められた制服があるケースも珍しくないので暖房器具の温度調整をしやすいですが、保護者や地域住民は身に着けている服装も異なるため、暖房温度の管理が難しいのです。

2-3.避難場所としての体育館

小学校や中学校などの体育館は、何かあった際に避難所として使用されるケースもあります。その間は避難民の生活の場所となり、24時間常に誰かがいる状態です。避難民の年齢は乳児から高齢者まで幅広くなる可能性が高く、暖房をするとなれば温度調節の必要性も高くなるでしょう。避難所として使用された場合、人が多いことから冷房や暖房を常時つけていなければ空気の流れを作ることが難しく、体調を崩す人が続出する可能性があります。ただ、常時空調設備をつけっぱなしということになると、高額なコストもかかることを考慮しなければなりません。

しかも、使用する暖房器具に関しては管理しやすく、安全性が高いものである必要もあります。小さな子どもが避難民のなかにいた場合、稼働中の暖房設備に手を触れてケガをする恐れがあるからです。また、万が一、大勢の人が一度に移動するなどした場合に、安全性が低い暖房器具では倒れて一大事になってしまう可能性もないとはいえません。そのため、倒れにくい設計になっており、ケガなどをしないように安全策が練られたものを見つけることが重要です。

3.体育館は夏場も過酷

体育館は冬場は寒さで、夏場は過酷な暑さに耐えなければなりません。館内は太陽光を取り込むために、天井付近に大きな窓を設置しています。電気をつけなくても、体育館内が明るくなるように設計しているからです。体育館とつくりが似ているものとしては、温室が挙げられるでしょう。天井を高くし、上部に暖かい空気が溜まりやすい点、柱がなくても強度を保つことができるように下部の多くが壁になっている点などです。しかし、こういったつくりは風通しが良いとはいえず、夏場は熱い空気がこもりやすい傾向にあります。

体育館は鉄筋造になっており、屋根も鉄板が使用されているので断熱層を設けたとしても館内が暑くなりやすい点が特徴です。さらに、風通しが悪い場合は湿度が高くなりやすく、熱中症になる危険も高まります。そのため、体育館を使用する際に過ごしやすくなるように、風通しを良くするなど工夫をしなければなりません。

4.体育館に有効な寒さ対策とは?

ここでは、厳しい冬場の体育館でも快適に過ごすための対策を紹介します。

4-1.個人で取り組みたい寒さ対策は?

個人による寒さ対策は、体育館をどのように使うかによって異なります。運動する児童や生徒であれば、運動の邪魔にならないような厚着をして寒くないように工夫することが可能です。ただ、注意点として寒いからと厚着しすぎると運動中や運動後に汗をかき、それが冷えてさらに寒くなる場合もあります。状況に応じて、服を脱着することが大切です。また、行事に参加する場合は足元が冷えやすいため、靴下を温かい素材のものにするのもおすすめです。たとえば、ウールであれば肌触りも良く、蒸れにくいので冬の寒さ対策に効果的です。

保護者が体育館で試合の応援や行事に参加する場合は、インナーで寒さ対策をするのも良いでしょう。体感温度が変わりやすい足元と首元に冷え対策を重点的にするのがポイントです。簡単にできる対策として、カイロがあります。服に貼り付け可能なタイプや靴下用のカイロもあるので、出かける前に袋から開封するなどして、体育館に到着した頃には暖かくなるように時間調整しておくのがおすすめです。ただし、カイロは低温やけどをしてしまう場合もあるので注意しましょう。

4-2.学校が行うべき寒さ対策は?

個人単位でできる寒さ対策に加えて、学校として行うべきなのは体育館を効率的に温める暖房設備を導入することです。暖房の導入によって長時間でも快適に過ごしやすくなるため、体育館を利用できる機会も増やすことができます。暖房設備以外の方法は、寒さ対策としては適していません。たとえば、倉庫や工場などではビニールカーテンを導入して寒さ対策を行っているところもありますが、多くの人が一度に出入りする機会があったり、運動施設としても使用したりしている広い体育館で導入するのは難しいです。

体育館の使用用途はさまざまなので、重点的に暖房をする場所を決めづらいのです。つまり、体育館の使用用途に合わせた暖房の方法を考える必要があるのです。専門業者はさまざまなパターンに合わせた暖房器具をアドバイスしてくれるので、学校の予算や使用用途に合ったものを取り入れましょう。

5.体育館に適した暖房設備とは?

体育館に向いている暖房設備は、足元や人のいる空間を効率的に温めるものです。広い体育館内で使用するのは部分的なスペースのみなので、空間全体を平等に温める必要はありません。また、使用用途に合わせて温度調整ができる暖房器具が望ましいです。一般的に、運動中と集会など椅子に座っているときでは、寒さの体感温度が異なります。そのため、状況に合わせて温度調整ができるほうが便利です。暖房器具を使用中は作動音がしますが、こういった音もできるだけ静かなタイプを選ぶのが良いでしょう。体育館で講演会、演奏会、演劇、卒業式などを行う際に空調音が大きすぎると、そちらに意識が向いてしまいがちです。そうなってしまうと、集中して話や音を聞くことができなくなる可能性があります。

さらに、体育館内では温度差が出にくい暖房器具が理想です。暖房器具に近い場所は暑すぎ、離れた場所は寒いという状態では温度にムラが出てしまうため、温度調整が難しくなってしまいます。できれば、人がいる場所すべてが同じ温度になるように調整しやすいものがおすすめです。ですから、設置型の暖房器具ではなく、移動可能なものであれば暑すぎず寒すぎず、ちょうど良いバランスで暖めることができます。また、夏と冬どちらの季節も使用できるものであれば、導入のコストを抑えることが可能です。

6.夏も冬も使えるハイパーストロングクール(コンボタイプ)

冬場の暖房費は広い空間でなくても高額になりがちです。たとえば、外気温が35度の夏場に室内を28度まで涼しくするより、外気温5度の冬場に室内を20度に温めるほうが温度差の大きさから費用が高くなってしまいます。コストをできるだけ抑えながら、夏場も冬場も使用できるのが大風量で室内温度調整が効率的にできるスポットエアコンです。大風量スポットエアコンのひとつとして、「ハイパーストロングクール(コンボタイプ)」が挙げられます。こちらは冷暖房兼用のスポットエアコンで、1台あれば冬場の寒さ対策、夏場の熱中症対策どちらもできるという優れものです。

冷房にすると室温をマイナス13度、暖房にするとプラス10度にすることが可能です。どちらの場合も50メートル離れた場所まで大風量が届く設計になっているため、体育館のような広い空間でも1台で広範囲を適温に調整できます。「ハイパーストロングクール(コンボタイプ)」は室内機と室外機が一体化しており、移動可能な台の上に載っているので、必要範囲のみを冷房・暖房で快適空間にすることも可能です。体育館の天井付近は誰もいないので特に温度調整をする必要はありません。ですから、人がいる高さに対して冷風や温風を吹き出すことができるこのスポットエアコンは非常に有効だといえます。しかも、一般的なエアコンとは異なり、フィルターがないので手入れも簡単です。使用後など汚れたときは水洗いすれば手間をかけずに清潔に保つことができます。

空調で困ったらサイシュウテクノに相談

広さがある体育館のような施設で使用する暖房設備は、購入する際に高額な初期費用がかかってしまう場合があります。ただ、必要な時期のみ利用できるレンタルやリースという方法で導入することも可能です。体育館の広さ、どのような用途で使用しているのか、使用されている頻度などによって適した暖房器具は異なるため、まずは専門家であるサイシュウテクノ株式会社に相談してみるのも良いでしょう。

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