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工場用スポットクーラーの特徴とは?暑さ対策におすすめの製品も紹介!

1.工場用スポットクーラーとは

工場や倉庫、工事現場における夏の作業時には、簡易的な冷房機器として業務用スポットクーラーがよく採用されています。業務用スポットクーラーを導入する前に、家庭用スポットクーラーやエアコンとどう違うのかを知っておきましょう。ここでは、特徴や基本性能、使用するメリットとデメリットを解説します。

1-1.工場用スポットクーラーの特徴

工場用か家庭用かにかかわらず、スポットクーラーが空気を冷却する仕組みはエアコンと同じです。ただし、エアコンでいうところの室内機と室外機が一体化しているのがスポットクーラーの特徴と言えます。スポットクーラーは、本体に冷風の吹出し口と排気口を備えています。吹出し口から冷風を送り、排気口からは冷却時に温められた空気が出される設計です。排気口にダクトをつければ温風を室外へ排出できるため、排気による室温上昇を防ぐことができます。

業務用スポットクーラーには三相200Vタイプも用意されています。また、吹出し口を2つあるいは3つ搭載しているモデルや、首振り機能を備えているモデルも選択可能です。空気を冷却する際に発生する水を溜めておくドレンタンクがあるタイプと、水分を水蒸気として排気できるノンドレンタイプがあります。

1-2.工場用スポットクーラーのメリット

そう広くないスペースでの使用なら家庭用スポットクーラーの出力でも問題ありませんが、業務用のほうがパワフルで冷却効果が高いため、工場や倉庫での使用に向いています。吹き出し口が複数あるタイプのスポットクーラーを採用すれば、別方向へ同時に送風可能です。複数の作業員へ同時に冷風を送れます。

工場用エアコンの設置と比べて大がかりな工事は必要なく、導入から運用までがスムーズです。既存の冷房設備が故障した場合の応急措置としても活用できます。スポットクーラーは局所的に効率よく冷やせるため、温度変化を嫌う場所があるような工場でも導入しやすいでしょう。スポットクーラーの多くがキャスター付きで移動が簡単にできるため、冷却が必要な作業場所へ臨機応変に設置できます。大規模な冷房設備に比べてランニングコストが安いのもメリットと言えます。

1-3.工場用スポットクーラーのデメリット

工場用スポットクーラーに限ったことではありませんが、いくつかのデメリットもあります。それはスポットクーラーの仕組みに起因する問題点です。スポットクーラーは本体から排熱も同時に行うので、密閉された狭い空間だと十分に冷却されないことがあります。冷却効果を高めるには、設置場所に一定のスペースが必要です。ダクトで屋外へ排気すれば冷却効果は高まりますが、そのためには取付工事を行わなければなりません。

ドレンタンクにドレン水が溜まるため、定期的に排水作業を行う手間があります。また、運転時の大きな騒音が作業員の集中を妨げるなどして、仕事の邪魔になってしまうかもしれません。これらのデメリットは作業効率を下げる場合があります。三相200Vの工場用スポットクーラーを設置する際は、電源プラグが付属しないことにも留意してください。

2.工場用おすすめスポットクーラー7選

スポットクーラーにはメリットもデメリットもありますが、総合的に見れば安価で工場でも使い勝手のよい冷房機器と言えます。購入を検討する際、価格帯が同じならどの機種でも性能に大きな差がないように見えるため、どれを買えばよいのか迷うところです。ここでは、通販サイトなどで評価の高い、おすすめのスポットクーラーを紹介します。

2-1.ダイキン工業|スポットエアコン クリスプ

「スポットエアコン クリスプ」は床置きスリムタイプのスポットクーラーで、家庭用と産業用(工場用)の2種類があります。コンパクトなスーパーリトルドレンを搭載し、ドレン排水処理は約3週間に1回で済みます。排水の手間が減るため作業効率アップが図れるのはメリットです。ドレンタンクが満水になると自動で送風運転に切り換わり、ドレン水があふれてしまうのを防ぎます。

自動首振りタイプには「排熱自在ダクト」を標準装備し、ダクトの回転や折曲、伸縮が自由に行えます。省スペース設計のスリムタイプは設置場所を選びません。もし床面に設置スペースがなければ「天井吊・ダクト形」を検討するとよいでしょう。オプションでファンフィルタユニットを装着することもできます。これにより空気清浄も可能なスポットクーラーに早変わりします。

2-2.ナカトミ|排熱ダクト付きスポットクーラー 単相首振り

ナカトミ製、単相100Vタイプのスポットクーラーです。据付工事は必要なく、キャスター付きで簡単に移動できます。工場内のどこにでも設置が自由自在に可能です。家庭用電源で運用可能なため、工場の事務所内など三相200V電源がない場所でも活躍します。さらに大きな特徴として、サーマルプロテクター(復帰式過熱保護装置)を内蔵しています。この装置のおかげで過負荷や異常電流によるモーターの故障を防げるため、安定的な運用が可能です。

工場などで冷却スポットがいくつもあると、スポットクーラー1台の場合は冷風ダクトの向きを随時変える手間があります。この機種は、約75度の自動首振り機能を切替スイッチひとつで使用でき、また冷風ダクトを手動で200度まで回転させられるなど、運用面でも使い勝手のよいスポットクーラーです。ドレンホースをつければ直接排水を行うこともできます。

2-3.日立|スポットエアコン クールショット スリム床置型

日立のクールショットは、スリムタイプで軽量なボディが特徴です。排熱用の排気ダクトを標準装備し、最大5mまで延長することができます。冷却場所から離れたところへ排気可能なため、涼しさをキープできるのが強みです。工場の壁面や角にぴったり収納できる「壁ピタ設置」の形状で設置スペースをとりません。

ドレンタンク容量は7Lとコンパクトで、排水作業がしやすいように設計されています。オプションで自動首振り装置をつけられます。首振り角度は60度、80度、110度の3段階が設定可能です。クールショットには、対人用として1人用と2人用があります。2人用は冷風ダクトが2本装備され、同時に別々の方向を冷却します。また、産業用は対物冷却などで通年使用するのに適した機種です。10~45℃DBの運転温度範囲で使用できます。

2-4.ハイアール|床置型 スポットエアコン(排気ダクト付)

ハイアールの排気ダクト付きスポットエアコンは、冷媒配管の工事が不要なうえにコンパクトでスリムなため、場所を選ばずに設置できます。工場の入口付近や屋外での作業場でも活躍します。電源は家庭用単相100Vですぐに運用可能、ロック機能付きキャスターのおかげで据付作業も簡単です。排気ダクトは水平方向に360度回転し、最長600mmまで伸ばせるため排熱にも困りません。

冷房機能と送風機能がそれぞれ2段階に調節できます。ダイヤル式の4段階調節で、ダイヤルを回すごとに「弱風」「弱冷」「強冷」「強風」の順で切り替え可能です。別売りの延長用冷風ダクトを使用すると約3mも延長でき、比較的狭い空間ならスポットクーラーの位置はそのままで作業場所を自由に変えられます。ドレン用ポリタンクは大容量の20Lです。持ち手はありますが、満水の20Lまで溜めてしまうと排水作業に苦労するので注意してください。

2-5.TRUSCO|スポットエアコン 単相100V 首振り機能無

TRUSCOのスポットエアコンは、工場で使いやすい機能が多く備わったスポットクーラーです。全閉式ファンモーターを採用し、粉じんやミストなどが入り込みにくくなっています。これにより、粉塵やミストがモーター部分に侵入して事故や故障が起こるのを防ぎます。また、油の多い作業現場でも困らないウレタンキャスター付きです。ウレタンは耐油性や耐薬品性、耐摩耗性が高いため、キャスターが劣化しにくくなっています。壁面にぴったり付けられる省スペース設計で、作業の邪魔にならない場所へ設置できます。

風量は2段階の切替式スイッチで変更可能です。別売りの延長冷風ダクトを取り付ければ最長5mの範囲に冷風を送れます。同じく別売りの延長排気ダクトを使い、屋外への排気をすることもできます。ドレンタンクの容量は5Lと比較的小さいため、こまめな排水作業が必要です。

2-6.スイデン|クールスイファン 1口スタンダードタイプ

スイデンのクールスイファンは、従来機と比べて冷房能力が42%もアップしました。室温37℃・湿度60%の条件だと、室温からおよそマイナス12℃の冷風を出せます。冷風ダクトの可動範囲は300度もあるため、ほぼ全方位に風向き調整が可能です。別売りの冷風ダクトを装着すれば5mまで延長できます。全閉モーター採用でホコリや粉塵が内部に入るのを防ぎ、壊れにくいのも特徴です。壁ピタ設計を採用し、前面以外なら壁にぴったりくっつけて運転できます。

5Lのミニドレンタンク搭載でドレン水の処理も楽です。排水作業の手間を省きたいならドレンホースを接続することで解消できます。伸縮可能な排熱ダクト付きですが、別売りの排熱ダクトを使えば4mに延長でき、室外への排出を行う際にも便利です。電源タイプは家庭用の単相100Vと工場用の三相200Vから選べます。ロック付きウレタンキャスターや4段階の風量調整などもついて高機能なスポットクーラーと言えます。

2-7.KODEN|スポットクーラー 1口 筐体オール板金

KODENのスポットクーラーは、工場現場での使いやすさを追求した業務用スポットクーラーです。最大の特徴は、筐体がオール板金で頑丈なつくりになっていることです。工事現場や建設現場では、さまざまな資材や機材、工具を使用します。それらの重たくて硬いものをスポットクーラーにぶつけて壊してしまうケースがあります。筐体が板金製なら多少のことでは破損しないので安心です。また、吊り下げ用金具を標準装備し、設置場所の自由度が高いのも工場仕様ならではです。

冷風ダクトの可動範囲は210度で「強」「弱」2種類の送風モードが選べます。ドレンタンクは5Lのコンパクトタイプです。排水作業いらずのドレンホースも取り付けられます。ストッパー付きキャスターで移動も設置も簡単にでき、市販のアルミフレキシブルダクトを装着すれば屋外への排気も可能です。

3.スポットクーラーとして使える大型冷風機もおすすめ!

工場用スポットクーラーは、対人、対物の冷房機器として使用されますが、同様の使い方ができるのが大型冷風機です。工場内の環境や用途によっては、スポットクーラーよりも大型冷風機のほうが適している場合があります。ここでは、大型冷風機の特徴を紹介し、大型冷風機とスポットクーラーのメリットとデメリットを比較します。

3-1.大型冷風機の特徴

工場などで使用される業務用の大型冷風機は、気化熱を利用して冷風を発生させます。室温が高くて湿度が低い場合に冷却効果が大きくなる冷房器具です。一般的なクーラーと違い結露水が発生しないのでドレン水のような排水はありません。ただし、気化熱によって空気の冷却を行うためには給水が必要です。湿度が高いと冷却効果を得にくいのが欠点で、特に狭い空間では大型冷風機本来の性能が発揮できない場合があります。

大型冷風機は風量が大きいのも特徴のひとつですが、エアコンなどより消費電力が小さいため高い節電効果が得られます。ほとんどの大型冷風機はキャスター付きです。スポットクーラーのように移動も簡単で設置場所を選ばずに運用できます。大型冷風機を設置する際には工事の必要はありません。多くは単相100Vで運用できますが、大きな工場では三相200Vのモデルも使われています。

3-2.大型冷風機とスポットクーラーの比較

大型冷風機とスポットクーラーは、それぞれの冷却の仕組みによってメリットとデメリットが比較できます。特に、水の使われ方に大きな違いがあるといってよいでしょう。大型冷風機は気化熱に利用するために給水作業が必要で、スポットクーラーは冷却時に発生する結露水の排水作業が必要です。冷風そのものの温度はスポットクーラーのほうが低くできます。ただし、大型冷風機は風量があるため体感温度はそこまで変わりません。ただし、湿度を上げてしまうので狭い空間での使用はスポットクーラーに分があるでしょう。

大型冷風機の強みは広範囲に風を送れることです。機種にもよりますが、1分あたりの風量はスポットクーラーが5立方メートル程度であるのに対し、大型冷風機は200立方メートルを超えます。工場のような大空間では、大型冷風機のほうが効率よく冷却効果を得られます。また、消費電力が小さいことや排熱がないために排気を考えなくてもよいことなど、使い勝手の面で大型冷風機を選択する余地がありそうです。

工場用スポットクーラーで効果的な暑さ対策を!

工場にスポットクーラーを導入すれば暑さ対策に効果があります。便利な機能を備えている機種も多く、目的や用途に合わせて選ぶとよいでしょう。ただし、大きい工場であれば高機能な業務用を選ぶことをおすすめします。使用条件によっては大型冷風機のほうが適している場合があるからです。工場の暑さ対策を検討する際は、大型冷風機を各種取り揃えているサイシュウテクノ株式会社にぜひ相談してみてください。

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